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我ながら面白い論法だ。観客席からは軽く笑い声が上がる。だが、無論、少女にとっては笑い事ではない。元々蒼白だった顔はさらに血の気を失い、全身ががたがたと震え出す。恐怖のあまり、声も出なくなったようだ。俺は指を軽く鳴らす。すると、天井から軽いモーター音とともに絞首刑用のロープが降りてきた。それは少女の目の前あたりまで降りて止まる。 「きゃああっ、いやああああっ!」 今まで恐怖に硬直していた少女が、急に憲兵達の腕をふりほどこうと暴れ出した。憲兵達は手荒にその少女を押さえ込もうとする。俺は軽く手を挙げて彼等を制した。 「まあ、そう乱暴にするものじゃない。我々を楽しませてくれる大事な人だ。」 俺はそう言って少女を背後から抱きすくめた。左腕で両腕ごと胴を抱き、右手で顎をつかんで首をあげさせる。この作業にはかなりの力が要り、人工筋肉と生身の筋肉の接合部がやや痛んだが、それでも余裕を持って少女の体を拘束することができた。 「さ、君たちはロープを。」 俺の言葉に従い、憲兵達は少女の首にロープをかけはじめた。その作業が終わると俺は再び指を鳴らす。すると今度はロープが引き上げられ始めた。少女の細い首に、じわじわとロープが食い込み始める。 「ひ、ぐ、うううっ!」 少女は苦しげなうめき声を漏らし始めた。しかし、少女の体がつり上げられる寸前でロープの動きが止まる。今、少女はやや背伸びをしてようやく首を絞められないでいられる状態だった。 「少し高い。あと三センチおろして。」 俺の指示に従い、ロープがわずかに降ろされた。少女は背伸びするのをやめ、地面にかかとをつける。俺は少女の首とロープの間に指を入れ、少しだけロープをゆるめてやった。少女は不審そうな表情で俺を見返す。 「このまま吊し首ってのも捨てがたいが…言ったろう?今日のテーマは四肢切断と絞首なんだ。」 「え?」 「この状態で、君の手足を一本ずつ切り落としていく。右腕、左腕、右脚、左脚をランダムに選んでね。そうすれば君はいずれ自分の体を支えられなくなって吊し首になる。早ければ二回目で両脚を切られてぶら下がることになるけど、遅ければ三回目でも片足だけは残って立ってられるかも知れない。」 「…そんな…やめて、やめてよ…お願い…」 「途中でショック死するとつまらないからね、麻酔は打ってあげるよ。痛くはないから安心して。」 無論、安心できるはずはない。少女は泣き叫び、首にかけられたロープをはずそうともがく。しかし、ロープはほぼぎりぎりの状態まで引き上げられているのでそれが成功する心配はない。俺は少女に背を向けると観客席へと歩み寄った。 「それではみなさん、何回目でこの子が絶命するか、賭けて下さい。一口十万円から、下限は一口、上限はなし。もしかしたら一回目で片足を切られただけでも足を滑らせて吊し首になるかも知れませんし、三回目で両腕片脚を切られても立ってられるかも知れません。では、ただいまよりお席のほうを係員が回りますので、賭け金をお渡し下さい。」 俺はそう言うと少女のそばに戻った。俺が傍らに立つと、少女は顔を背けて低いうめくような泣き声を漏らし始める。 「さて、みなさんが掛け金を張り終わるまで少し時間もあるし、少しインタビューでもしようか。実は、ショーが始まる前に観客の方からは犠牲者についてどんなことを知りたいかアンケートを取ってあってね。まず、一枚目。」 俺はポケットからアンケート結果を書いた用紙を取り出した。 「ええと…『犠牲者は、処女か否か。否だとしたら、喪失はいつか。』…誰ですか、こんな卑猥な質問をするのは。この子が恥ずかしがるじゃないですか。」 俺のすっとぼけた言葉に、観客席からは笑い声が上がった。俺は少女の顔をのぞき込む。 「ま、恥ずかしいかも知れないけど、お客さんの要望だ。さ、答えて。」 「………」 「答えてくれないの?」 「…嫌…何でそんなこと、言わなくちゃならないの…」 少女の蒼白だった顔が、今度は羞恥に紅潮し始めた。俺は少女の秘所にふれる。 「やっ…」 「じゃあ、この場で君を犯してしまおうかな。そうすればたとえ処女でも処女じゃなくなるから、一番目の質問には答えたことになるしね。どうする?」 |
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